選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる
この本は、21世紀の現代社会において民主主義が直面する課題や、それに対する可能性を考えることを目的としています。
一般的には、政治参加の低下や政治不信、デジタルテクノロジーの発展による社会の変化などが、民主主義の危機を引き起こしているとされます。
本書は
本書では、このような危機を乗り越えるために、22世紀に民主主義がどのように進化するかを想像し、アルゴリズムによる選挙や政治家の役割の変化、そして人間とAIの共存など、様々な可能性を提示しています。
こんな人に読んでほしい
こんな人に読んでほしい≫
本書は、民主主義や政治に興味のある人や、デジタルテクノロジーの発展に対して懐疑的な人に読んでほしいと思います。
また、将来の社会を想像することに興味のある人や、SF作品が好きな人にもおすすめです。
本書の内容
故障
「故障」の章では、アルゴリズムによる選挙システムが導入された22世紀の世界で、そのシステムに何らかの故障が起きた場合の問題を考えます。
例えば、システム自体に欠陥がある場合や、ハッカーによってシステムが攻撃を受けた場合、どのように対処すべきかが議論されます。
闘争
「闘争」の章では、22世紀の世界で政治家たちが直面する問題について考えます。
アルゴリズムによる選挙において、政治家の役割が変化し、従来の選挙活動やマスメディアによる情報発信が減少する中で、政治家たちはどのように選挙戦を戦い、有権者たちにアピールするかが問題となります。
逃走
「逃走」の章では、人間とAIの共存について考えます。
22世紀の世界では、AIが人間に代わって仕事をするようになり、その分野での雇用が失われることが予想されます。
このような社会の変化に対して、政治家たちはどのように対処し、社会を安定させることができるかが問われます。
構想
「構想」では、著者は現在の民主主義システムの問題点を指摘し、それを解決するための提言を行います。
著者によれば、現在の民主主義システムは、選挙によって政治家を選ぶことが基本的な仕組みとなっているが、その選挙過程には様々な問題点があると指摘します。
例えば、政治家は選挙に勝つために、人々に気に入られることを優先する傾向があり、そのために政策が曖昧になってしまったり、自己利益を追求するような行動を取ってしまったりすることがあるということです。
アルゴリズム
そこで著者は、アルゴリズムによって候補者を選ぶシステムを提案します。
これは、候補者の政策や実績などをデータ化し、アルゴリズムによって評価してランキング化するというものです。
このシステムによって、候補者の実力や政策が客観的に評価されるため、選挙において人気のある政治家が必ずしも実力のある政治家であるとは限らないという問題を解決できると著者は考えています。
また、著者は、政治家がネコになるという表現を使って、政治家が選ばれる方法が変わることを示しています。
政治家が現在のように選挙で選ばれるのではなく、アルゴリズムによって評価されるようになるということです。
このようなシステムによって、政治家が人々に気に入られるために曖昧な政策をとる必要がなくなり、より実力や政策に基づいた政治が実現できると著者は主張しています。
著者/成田悠輔は
著者/成田悠輔は、日本の半熟仮想株式会社代表であり、アメリカのイェール大学で助教授を務めている人物です。
専門分野は
専門分野は、データ、アルゴリズム、ポエムを用いたビジネスと公共政策の想像とデザインです。
彼は、ウェブビジネスから教育・医療政策など幅広い社会課題に取り組み、企業や自治体と共同研究・事業を行っています。
また、混沌とした表現スタイルを追求して、報道・討論・バラエティ・お笑いなど多様なテレビ・YouTube番組の企画や出演にも関わっています。
学歴
成田氏は、東京大学を最優秀で卒業し、マサチューセッツ工科大学(MIT)でPh.D.を取得しました。
その後、一橋大学客員准教授、スタンフォード大学客員助教授、東京大学招聘研究員、独立行政法人経済産業研究所客員研究員などを兼務し、多くの業績を残しています。
受賞履歴
彼は、内閣総理大臣賞、オープンイノベーション大賞、MITテクノロジーレビューInnovators under 35 Japan、KDDI Foundation Award貢献賞など多くの賞を受賞しており、若手起業家として注目されている人物です。
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